5千年の歴史をもち、現在世界で何百万人もの人が実践しているヨガについて、改めてここで説明する必要はないかと思います。20世紀以降はアイアンガーらの現代的な指導者によって数多くのアーサナ(ポーズ)が確立され、健康増進法、ストレッチ法としてインドから欧米・日本へと広がっていきましたが、古代におけるヨガの在り方は瞑想体験と結びついたスピリチュアルなものでした。仏教の開祖であるブッダも古代における重要なヨガ行者の一人であったとみなされています。トラウマとの関連で言えば、PTSD治療の世界的拠点であるマサチューセッツ州のトラウマ・センターでも「トラウマ・センシティヴ・ヨガ」というヨガ・セラピーが取り入れ、徐々に広がりを見せています。PTSDの患者様はささいな刺激で自律神経系が勝手に興奮してしまったり、トラウマ記憶にまつわる身体感覚が勝手に想起されてしまうなど、自己の身体に対するコントロール感を失っていることが多いようです。ヨガは呼吸を通じて自律神経のバランスをコントロールしていきますので、ヨガ体験は自己の身体を取り戻していく助けになるかもしれません。