クレニオセイクラルセラピー

米国の家庭医であったジョン・E・アプレジャー博士が、脳手術の助手をしていた時に、脳を包む硬膜が一定のリズムで拡張・収縮を繰り返していることを発見したことを端緒に開発されたセラピーです。脳と脊髄を含む中枢神経系は硬膜という膜に包まれており、その中を脳脊髄液という液体が循環しています。その硬膜が緊張して脳脊髄液の流れが悪くなっていることが、頭痛、不眠、うつなど多くの精神神経症状や自律神経症状の原因になっているのではないかとアプレジャー博士は考えました。セラピーは硬膜の緊張を緩めることを目的として行わわれ、10 protocolと呼ばれる手続きが基本になっています。具体的には後頭部側や骨盤側からごくわずかな力で硬膜をストレッチするなど様々な手技から構成されています。頭蓋骨も前頭骨や側頭骨など多くの骨から成っているため、骨どうしの結合を微妙にゆるめるテクニックもあります。硬膜の緊張が緩まることで、意識下で抑圧されていた感情が解放され、結果的にはトラウマの治癒につながることもあり、こうした心理療法的な面での応用は体性感情解放法(ソマト・エモーショナル・リリース)と言われています。