・患者様にとって居心地のいい、安全感のある空間を提供します。
待合室・診察室ともにアットホームなフローリングの床で統一しています。
診察室では、カフェのようにお話しやすい、丸テーブルを採用しています。また、プライバシーを重視して、遮音性に優れた壁を採用しています。
待合室ではお水やお茶、コーヒーなど自由にお飲み頂けます。
・オーダーメイド精神医療を目指します!
当院では患者様を治療に合わせるのでなく、治療を患者様に合わせます。
・4つのバランスを重視します!
個人へのアプローチ vs. システムへのアプローチ(家族から学校・職場まで必要に応じ介入します)
薬物療法 vs. 非薬物療法
西洋医学的アプローチ vs. 東洋医学的アプローチ
認知的アプローチ vs. 身体志向的アプローチ
・生まれ(発達特性)と育ち(環境からの侵襲)の両面に目を配ります。
・環境から受けたネガティブな影響を乗り越える方法としてトラウマ治療を重視しています。
トラウマとも呼ばれる心の傷の原因は虐待、イジメ、暴力被害、性被害、大切な人との死別、身体疾患、事故、災害などさまざまですが、心にネガティヴな影響を及ぼすメカニズムには共通したものがあります。外部からの予期しない衝撃を受けた時、人間の神経系は特有な反応をします。自律神経系は異常に興奮した状態になるか、逆に硬直したような状態になります。そうした反応のパターンは記憶されて、ささいな刺激に対しても過度に警戒したり、硬直してしまったり、刺激を避けるために引きこもってしまったりするようになります。不快なトラウマ記憶をブロックして表面的には平静を保てるようになったとしても、冷凍保存された記憶は地中深くに根を張ったまま、長い人生を通じて物の考え方、感じ方、対人関係のパターンなどに影響を及ぼし続けます。
よくある誤解として、「生命を脅かされるような出来事でなければトラウマとは呼べない」と言う人がいますが、例えば幼い子供に対する親の絶対的な影響力を考えると、親が悪意もなく口にしたちょっとした一言があとあと数十年にわたって影響を及ぼすこともありえます(生死に関わるような大きなトラウマをbig
Tと呼ぶのに対し、そうした「ささいな」傷つきをsmall tと呼ぶことがあります)。そうした小さい歪み(small t)の積み重ねがその人の物の考え方・感じ方に長期にわたって負の影響を与えることもあるのです。EMDRを初めとするトラウマケアはそうして絡んだ糸を解きほぐし、負の影響を取り除くことを可能にします。ですので、トラウマ治療の対象となる疾患は必ずしも狭い意味でのPTSD(外傷後ストレス障害)とは限らず、実際に今まで「うつ病」「適応障害」「境界型パーソナリティ障害」「解離性障害」「発達障害」などさまざまな診断名がついた患者様を治療の対象としてきました。
トラウマ治療のメインとしてはEMDRやSE(ソマティック・エクスピリエンシング)など評価の定まった方法を主な治療手段として用いていきますが、必要に応じて認知行動療法やTFT(思考場療法)、自我状態療法や通常のカウンセリング(クライアント中心療法)なども組み合わせていきます。また治療の基盤を作るための謂わば「基礎トレ」として、マインドフルネス、ブレインジム、ヨガなども適宜取り入れていきます。慢性的な疼痛など、医学的に説明のつかない(内科・整形外科などで検査しても異常が見つからない)身体症状の多くも、トラウマに由来する抑圧された怒りや悲しみが背景にあることが多く、TFTやタッチフォーヘルスで対応することも可能です。恐怖症症状、パニック発作などの不安症状、強迫症状などに対しても、各種の技法を組み合わせた対応が可能です。
なお、EMDR、SE、自我状態療法、タッチフォーヘルスなどは邪魔の入らない安全な時間枠の中での施行が必要になるため、保険外診療(完全予約制)が原則になります。
・当クリニックの名称について
当クリニックの名称である「マディヤーマ」は「中道」を表すサンスクリット語(インドの古典語)であるmadhyama pratipadから採用しました。madhyamaは「中間の」「中指の」などという意味を表す形容詞になります。「中道」は今でこそ政治の文脈でつかわれることが多いですが(保守派でも改革派でもない中間派という意味で)、もともとは仏教の言葉でした。仏教の開祖であるブッダは、自分の体を痛めつける修行など極端な禁欲主義を諫めつつ、現世的な快楽ばかりを追い求める快楽主義をも諫めて、そのどちらもでもない中間の道を行くことを唱えました。これは仏教の基本理念である八正道にもつながっている考えです。ですので、「中道」の第一の意味は極端に走らず、つねにバランスを意識することにあります。その考え方が、上記のように一見対立するアプローチの間でバランスをとっていく当院のコンセプトにぴったりだと考えました。